大きいブルーベリーは見た目も良いが味も良い?
ブルーベリーは「大きい=味が良い」ではありませんが、中身が水分ばかりでなく実がぎっしり詰まっているブルーベリーは本当に美味しそうですよね。大粒になるのは育成が成功しているという分かりやすい指標にもなります。
ただ、家庭菜園で超大粒ブルーベリーを育てるのはちょっと難しいです。様々な好条件が揃って3年以上かけ丁寧に育て、初めて500円玉サイズの美味しいブルーベリーとなります。
大粒になりやすい品種について
大粒に育てるには、品種はそれほど重要ではありません。もちろん小粒・大粒になりやすいなど品種によっての特徴はありますが、大粒品種を買っても育て方が適したものでなければ大きく育ちません。逆に、そこまで大粒にならないはずなのに、何故か収穫できるほとんどの粒が100円玉サイズになる場合もあります。

僕は北海道でブルーベリーを育てているんだけど、植えた3年目の小~中粒品種がそれこそ500円玉くらいのサイズになったぞ。めちゃウマだった!
初めての人は植える品種を選ぶために、大粒に育てやすい品種を知っておきましょう。
ノーザンハイブッシュ:スパルタン

粒の大きさはもちろん、味わいも申し分ない極めてバランスの良い品種です。甘すぎないので、生でも加工でもブルーベリーらしい酸味を楽しめます。食感は噛んだらパリッと…まではいきませんが、硬めの皮が特徴です。
ただ欠点は、少々育成が難しいことです。特に過湿に弱いため、雨の多い地域での栽培はムリですね。そもそもノーザンなので、東北・北海道以外の地域では難しいでしょう。大粒ブルーベリーは、その品種と適応する地で育てることが大前提です。

大粒になりやすい品種には、なぜかノーザンハイブッシュが多い!
サザンハイブッシュ:ブルーリッジ

こちらも食感が良く高品質な品種だと言われています。樹も強く育てやすいのですが、実が裂けやすいのも特徴の一つです。ノーザン系の人気大粒品種「パトリオット」が親の品種ですから、大きい粒も納得です。生産性も高いので、販売するために育てている所も多いと思います。
ラビットアイ:バルドウィン

カッコいい名前ですね。熟成期間が長いのが特徴で、少しずつ熟していくため収穫期間が1ヶ月以上になることも。その分一度に収穫できる量は少し少な目です。味に関しては甘みが強く実が柔らかいです。

ラビットアイ系は甘さが特徴みたいだな!糖度を計ると、上位に来るのはラビットアイばっかりだ。
育てやすさもそれなりの良い品種ですが、育つにつれ枝が横へ広がりやすくなるので、剪定が大事になってきます。
ブルーベリーを大粒にするために大事なコツ4つ

ブルーベリーを大きくするためには、ただ植えて水やりするだけではいけません。大切になってくるのは「基本的な育て方を丁寧に徹底する」ことだと思っています。
また、ブルーベリーは他の果樹と違う部分もいくつかありますので、家庭菜園経験者でもブルーベリーが初めてならば一度育て方を見てみましょう。
ブルーベリーのプランター栽培についての記事ですが、使う道具やブルーベリーに関する基礎的な知識が書いてありますので、是非見てください。

ちなみに、1~2年目なら大きめの鉢で育てても問題ないぞ!そのままでは大粒は難しいかもしれないけど、10年以上鉢で育てて特大の粒が作れるプロもいるのは知ってほしい。

やっぱり大事なのは土や肥料、剪定か?
コツ1:土づくりから勝負は始まる
大粒を作るためには、より大粒の品種を探すよりも土づくりに力を入れましょう。一般的な野菜や果物は弱アルカリ性を好む用ですが、ブルーベリーは酸性土壌を好むので、その部分だけ硫黄を蒔く必要もあるかもしれません。
もしくは、野菜用の土にpH無調整と書かれたピートモスを混ぜて使うと良いでしょう。これでブルーベリーが元気に育つ土になります。調整されたピートモスだとアルカリ資材が混ざっているので、ブルーベリーには適しません。

適当に庭にポンと植えちゃダメなんだな…。ピートモスは水はけも良いみたいだし、ブルーベリーと相性が良さそうだ。
土を作るのが難しい方は、最初からブルーベリー用土を使うのが一番楽で良いですね。ホームセンターでも各オンラインショップでも売っています。
コツ2:どの枝を捨てるか慎重に剪定する
ブルーベリー育成の醍醐味とも言える剪定は、ブルーベリーを長く強く育てるために欠かせません。なので剪定ばさみは必須です。
剪定方法(どの枝を落とすのか?など)は人によって異なるので細かい正解はありませんが、基本的には育ってほしい枝を残し、細かったり元気の無い枝、枯れかけや病気付きは落とします。結構バシバシ切っても問題なく、その分次の年にさらに元気に生ってくれますよ。

「実がなってるから勿体ない」って細い枝を残しておくと、実が育った頃に重みで枝が折れることもホントーによくあるから、もったいない精神を捨てよう!

個人的には、春に軽く剪定して、収穫が終わった秋にガッツリ剪定するのがおすすめだ!
…北海道は雪がゴスゴス降るから、あんまり小さい枝を残しても冬枯れしてしまうんだ。だからほっそいのはほぼ切ってしまうぞ。育てる人の方針によるけどな。
ただ最初は本当に分からないと思うので、基本的な選定法などは一度じっくり本で読んだ方が良いと思います。
コツ3:肥料を蒔かないor蒔きすぎはNG
他の植物は存じませんが、少なくともブルーベリーに肥料は必要です。有機質肥料・化学肥料など種類はありますが、肥料もブルーベリー専用のものが売ってますので、そちらをおすすめします。
また、肥料の種類によって蒔き方も異なると思いますが、それは肥料パッケージの裏に載っていることが一番正しいので、捨てずに見てくださいね。

僕たちは窒素・リン・カリの3種類のみを混ぜ合わせて使っているぞ。
コツは、少量から蒔き始めることです。植えてすぐ蒔くのも重要ですが、大きな樹や実に育てるなら毎年蒔きましょう。5月頃が堆肥のメインになると思います。
コツ4:頻繁に様子を見てお手入れしよう

ブルーベリーは雨があれば、1ヶ月くらいなら放っておいても育つことは育ちます。雑草が腰の高さまで伸びていても一応隙間から光が入るので実も生ります。ただ、それでは絶対に大粒には育ちません。もし周りに雑草が生えているならば、早急に取り除きましょう。
少し雑草が生えたごときで生育が遅れたり元気がなくなることはありません。ただ、下の部分にも日光が当たらないと新芽も生えませんし、樹の様子や異変も分かりにくいです。苗周りは除草剤も撒けませんから、しっかり手で草を抜き、頻繁にブルーベリーを確認しましょう。
変な虫が付いていないか、剪定を逃した枯れ枝はないか、土は乾燥しすぎてないか、葉っぱに白い粉が付いていないかなど、触って確認してみてくださいね。本当は毎日軽くでも見るのが良いですが、本当に大粒を作りたいなら3日に1度は見てほしいです。
ブルーベリー栽培に水は必要ですが、雨の多い日本ではそこまで気にする必要はありません。日照りが続く時やあまりにも乾燥が気になる時だけでも問題ないでしょう。苗の状態や地域によって大きく異なります。
よく、水を多くあげると大きな実がなりやすいと言いますが、それは本当に水分が多いだけなのでブルーベリーらしい美味しさが失われてしまいます。本当に瑞々しいジューシーなブルーベリーは、適切な水やりで出来上がります。
ですが、ポットに植えている1年生の苗は1日1回など頻繁に水をあげる必要があります。晴れの日は午前あげたら夕方乾燥している場合もありますので、1日2回でも構いません。
本当の大粒を食べるなら3年待とう
ブルーベリーは小さいながら1年目でも少しだけ実がなります。それも美味しいのですが、本来2年生までは、蕾になった時点でブチブチ取り除くのが大事です。その時点では実を生らすよりも、樹そのものを育てるためにしてあげましょう。実を付けさせるのは、ブルーベリーにとって最大の負担になります。
3年生が一番大きくなりやすい
実はブルーベリーは、3~4年生あたりが一番良い出来になります。なので、ちょっと育て方を間違えても大粒になる可能性が高いです。それ以降はゆるやかではありますが、人間と同じで老けていく一方なので、しっかり面倒を見てあげないと大粒を作る元気も無くなります。

肥料はきっと栄養ドリンクと同じなんだ…。人間と違って寿命は縮まない、と思いたいけど。
途中で枯れても気にしない!大粒育成にチャレンジしよう

ここまで読んでくれた方ならお分かりかもしれませんが、ブルーベリーで500円玉サイズの「大粒を目指す=正しい育成法を続ける」なのです。「大きいだけの粒=美味しい」ではなく「頑張って育てた大粒=美味しい」なのがポイントです。
ちゃんとした育成法(品種に合った育て方)だと、自然とすくすく樹も実も大きくなります。ですが、ブルーベリーを3年育てるのは意外と難しく、プロでも植えてから3年までは2割程度枯らしてしまいます。

同じ植え方・肥料のやり方・水やり頻度・選定方法で育てても、一定数枯れるのは仕方ないことなんだな…。
家庭菜園で大粒を育てるのは、3年以上育てるのは決して簡単な事ではありません。無駄に水分で大きくならず、大きい分だけ味も良いブルーベリーを育てるため、ともに頑張りましょう!